☆よく行く、中国の都市(瀋陽・大連など)

ナレッジアンドワークスのベース基地:中国への出張に関して★★

私(堤 英俊)の中国出張で定番の街(都市)遼寧省瀋陽と大連を紹介します。
また、これから中国へ出張へ行かれるビジネスマンや、留学を考えている皆さん、そして観光を計画している方々に簡単なメッセージもお伝えします。



瀋陽

中国東北地方(旧満州)、遼寧省省都が“瀋陽市”になります。
日中戦争時には「奉天」と呼ばれ(現在は奉天と言う呼び方は余り好まれません)中国最後の王朝“清王朝”を築いたヌルハチ満州族)の聖地であり、北京の故宮へ入城する以前の“瀋陽故宮”(世界遺産)の町として知られています。海に開けていない事が災いし、同じ遼寧省の大連市に民力では差を付けられていますが、中国発展の礎、重工業の街として良く知られています。
漢民族が多数を占めますが、満州族朝鮮民族吉林省に数多く生活しています)と北方の民族が生活をしており東北地方最大の人口(800万人以上)を有しています。かつては韓国系の企業の進出が盛んでしたが、最近では日本企業の進出も目覚しく、日本語でのコミュニケーションを得意とする人材も多い地域です(満州国時代に、日本語を学んだ世代がまだ多く残っています)。
沿海部の発展都市(広州、上海、北京、天津、大連等)に較べて、内陸部である事やインフラの未整備から経済発展は遅々としていましたが、ここ2・3年前から躍進し始めました。
重要な提携先の東北大学は、瀋陽市でのトップ大学であり中国東北地方でもトップクラスの理系人材を輩出する「重点大学(日本の旧帝大クラス)」です。

満州時代の軍閥・張学良が学長時代より理系教育に力を入れ、現在、同大学を母体となす「NEUSOFT」=中国東軟集団は、中国有数のソフトウエア企業です。日本で活躍中のソフトブレーン社:オーナーの“宋 文洲氏”も同大学の卒業生です。またソフトウエア学院(学部)で学ぶ日本語・日本就職コースの学生達や外国語学院(学部)にて日本語を専攻する学生達は、皆日本のドラマや歌謡曲の大ファン!ゲームやコミックにも精通しており、大の日本通です。大半の学生は学内の宿舎で共同生活を送っており、大学構内と言う“単位”の中ですべての生活が賄えます。
同大学の卒業生の就職率は、ほぼ100%に近い実績です。
中国東北地方出身者が多い事もあり、純粋で真面目な学生達が学んでいます。
(下の写真は、中国東北大学軟件学院の学院祭での1コマ、司会役の学生達です)

【大連】
瀋陽⇔大連は、旧満州鉄道にて約3時間半。飛行機便(約40分)もありますが、よく欠航(冬場は滑走路の凍結、夏場は定員割れで欠航と、当てにならない国内路線です)するので、私は大事を取り汽車にて移動をします。
大連は東北3省(黒龍江省吉林省遼寧省)の一番南に属し、海洋性の気候から、冬場でも暖かくまた、アカシアと樹木・花の街は中国の別荘地(観光地)としても、栄えて来ました。古くは日清戦争後、帝政ロシアが大連・旅順を租借し、近年では約40年間の間、日本の植民地政策のもと発展(今でも市内には帝政ロシア時代のインフラ・交通路や建物、そして日本の建築様式の影響を受けた建物が並びます。ちなみに同じ遼寧省瀋陽南駅を設計したのは、東京駅の設計者、大連駅を設計したのは上野駅を設計した設計者であり駅舎は各々そっくりです)、現在は東北地方最大の港町(600万人)として海外との交流も盛んです。また近年では、ITビジネスの集積基地として国家重点地区に認可され、ソフトウエア開発特区やソフトウエア教育専門大学の新設、海外企業に対する数々の優遇政策を実施し、IT通信系の日系大手企業のほとんどは進出を果たしています(また、日本向けオフショア開発の基地として北京・上海と肩を並べています)日本に対する意識も好意的であり、“日本語人材”を数多く輩出する街です(特に大連外国語大学の日本語学院は、中国国内有数の日本語教育機関です)。日本向けのコールセンターは数多く(DEL、GM、HP、他)報酬の高さから“日本語人材”には人気企業となっています。大連理工大学は、理工系(特にコンピュータサイエンス)学院のトップクラスの大学であり、東北地方の重点大学の中では東北大学ハルビン工業大学、吉林大学と並ぶ最重要学院です。近年、海外の人材ビジネス企業が数多く大連に進出し、政府関連事業である、人才市場(≒日本のハローワーク)での「職業紹介」「「スカウト」等のビジネスにもその影響が出始め、大連人事局では、日本や欧米の民間人材ビジネス企業との棲み分け及びタイアップを模索しています。

【中国へ行く時の持ち物】
通常の渡航に必要なものは勿論の事、特に
ティッシュペーパー(⇒中国のトイレ事情は日本の昭和40年代初頭並み、ホテルや大きな飯店以外にトイレに紙はありません)
・ 胃腸薬(⇒東北地方は、米よりも小麦類を多く摂取します、餃子と麺類です また、油や濃い味・辛い味付けが合わずにお腹を壊す場合もあるので胃腸薬は常備)
・ 変圧変電器(⇒PCを含む電化用品を使用する場合、240wです)
・ 防寒具(⇒冬の季節の瀋陽は、朝夕マイナス15度前後迄気温が下がります、オーバーコート・手袋・マフラーは必要です)
【役職に関する注意】
・ 薫事長(≒会長、筆頭株主)*他に総裁もほぼ同じ位置付け
総経理(=代表取締役社長) ・経理(=取締役)
・ 代表(=平社員) 
・ 主任(組織のトップ≒事業部長級、役所では局長級)
【商談・接待に関する注意】
初めての商談は、ほとんどがお互いの紹介と社交辞令の交換で終わります。その後の食事と飲酒の場が実質の「商談の場」となる事が多いように思います。「一緒に呑んで食べて、肝胆相照らす仲になってこそ、初めて商売が出来る」と言う風潮が今でも残っています。
主催者が、宴会の開初のスピーチをし、箸を付けるまでは「お茶」だけ口にしましょう。
尚、“乾杯”(グラスを交わしての乾杯とグラスの底でテーブルを叩いての乾杯)を交わした場合、“一気呑み”が礼儀となります。東北地方では必ず“白酒(バイチュ)”を勧められますが、50度前後の強さでもあり、十分気を付けて下さい(⇒面白がられます!)
食べ物は全部食べ尽くさずに、残して下さい。食べ尽くすと永遠に注文され続けます(満腹になり残すのが礼儀とお考え下さい)。
日本人は接待で余り喋らず、中方から“何を考えているのか分からない・・・”とよく言われます。通訳が居ても居なくても、身振り手振りや、共通言語(!?)漢字があります。どんどんコミュニケーションを楽しんで下さい。
【その他の注意】
・ 日中の歴史問題に関しては、質問されない限り触れない方が無難です(⇒特に瀋陽満州事変発端の街でもあり、微妙です)
・ 政治問題は特に問題はありません(共産党批判と台湾問題は別)
・ 経済問題には、大変興味関心が高く、活発な意見交換が可能です。また、商売としてサービス業のあり方やシステムの導入、マニュア作り等への関心が高く、日本を手本としたいと考えています
・ お金儲けの話題は大好き!
改革開放政策の行き過ぎを感じる時もあります・・
しかし、中にはこの現象を苦々しく感じており、本来の“義”“理”“情”“使命”を持ち国の将来を真剣に考えている知識人も数多く存在します。
 中国とのビジネスで一番大切な事は、
差別意識」「優位意識」を持たない事がすべてです、
彼等は、時代や政治に翻弄され続けた民ですが、極めて優秀で勤勉です。
日本人はアジアの国々と民族に対して、どこか「上から下を見下す」ような意識を内在している人が多いと思います。
この意識は、どんなに取り繕っても相手には悟られてしまいます。顔には出さなくても、彼等はそれを知っています、
その瞬間、彼等は付き合い方を変えます。
同じ視点や視座を大切にし、公平・公明・公正なビジネスと交流を楽しまれて下さい。

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